公開日:2025年2月21日

品質管理体制を徹底構築するには? メリットと手順を解説

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ISO9001に基づいた品質マネジメントシステムを構築することで、品質管理体制を構築することができます。ISO9001について解説した動画を無料視聴!

この記事は5分で読了することができます。

製品やサービスを扱う企業にとって、品質を確保する体制の構築は不可欠です。

品質管理の徹底ができていないと、重大な事故が発生して顧客に損害を与えたり、顧客からの信頼を損なったりする恐れがあります。そのため、品質管理が欠かせません。

 

本記事では、品質管理とは何か、その必要性、構築のポイントなどを解説します。

 

品質管理の最大の目的は、顧客満足の向上にあります。本記事を通じて、自社の品質管理体制を改めて見つめなおしてみましょう。

そもそも品質管理とは?

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品質管理(QC, Quality Control)は、製品やサービスの品質が一定の水準を満たしているかを検査・検証し、保証するための取組みです。工程管理、品質検証、品質改善の3つの取組みから成ります。たとえば、各工程での業務手順の標準化や、製品の多面的な検査、検査で基準を満たしていなかった製品の原因分析・対応策の実施などがあります。

品質管理の必要性と企業が求められる責任

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製品・サービスの品質によっては、事故や健康被害など、安全面で重大な問題が発生する恐れがあります。そのため、顧客の安全と信頼を守るために、製造業をはじめ、あらゆる企業で品質管理を徹底する必要があります。

 

また、製品の安全性や環境への配慮は、国内外の法規制に準拠する必要があります。例えば、製品の安全・一定の水準を保証するために、品質管理に関する法律(例:製造物責任法)の理解 国際規格 ISO9001などの取得が推奨されます。

ISO9001について簡単に説明した記事

ISO9001とは何か?その仕組みやメリット、ISO認証についても簡単解説!

品質管理体制を構築するメリット

品質管理体制を構築するメリットは、大きく分けると以下の2つが挙げられます。

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まず、品質管理体制を整えると、生産から出荷までの各段階で問題を早期に発見しやすくなります。一貫した品質の製品・サービスを提供することで、不良品が減少し、顧客満足の向上や企業イメージの向上、顧客からの信頼獲得につながります。

また、品質管理体制の一環として、工程の見直し・改善を繰り返すことで、製造プロセスが効率化し、企業全体のコスト削減や生産性の向上が期待できます。

品質管理体制を構築する方法

品質管理体制を構築する方法の1つとして、「品質マネジメントシステム(ISO9001)」の導入があります。

品質マネジメントシステム(ISO9001)の導入によって、新製品の開発や新市場の開拓など、自社にとってビジネスチャンスとなる事項に取り組みながら、顧客満足の向上につながる品質管理体制を構築することができます

品質マネジメントシステムやISO9001の必要性と概要を動画でわかりやすく解説しています。

品質マネジメントシステム(QMS)とは?

品質マネジメントシステム(QMS, Quality Management System)は、ISO9001規格に基づき、品質に関する業務プロセスや管理体制を体系的に構築したものです。これにより、企業は顧客の要求を満たし、継続的な改善を行う体制を整えることができます。

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QMS構築の手順(概要)

ここからは、ISO9001規格に基づいたQMSの構築手順の概要をお伝えします。

品質マネジメントシステム構築の手順をPDCAに分類した図。 計画: ① 会社にとってのリスク・機会(チャンス)の洗い出し・取組みの決定 ② 品質方針・品質目標の設定 ③ 各業務のルール・マニュアル化 実行: ④ ルール・マニュアルに沿った業務の実行 評価: ⑤ ルール・マニュアルに沿って業務を行っているかの監査 改善: ⑥ リスク・機会や目標、監査で指摘があった内容の見直し

① 会社にとってのリスク・機会(チャンス)の洗い出し・取組みの決定

内容

組織内外の課題や顧客・取引先のニーズを明確化し、どのようなリスクや機会(チャンス)に取り組むべきかを決定する。

目的・メリット

リスクの防止・低減と機会の増大

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リスク

好ましくない影響。経営計画での取り組みテーマ・戦略を考えた時に阻害要因となりうる事象。

(例)供給遅延、品質問題、顧客ニーズの変化、人手不足、設備の老朽化、原材料費の高騰

機会

好ましい影響。経営計画での取り組みテーマ・戦略を考えた時に促進要因となりうる事象。

(例)新製品の販売、業務提携、顧客開拓、新市場の開拓、新たな慣行の採用、新しい技術の採用

② 品質方針・品質目標の設定

内容

全社目標とその重点施策を設定し、各部門に展開する。

全社目標に基づき、各部門でも品質目標を定め、どのように達成するかの計画を作成する。

目的・メリット

日々の業務における目標が明確になることで、従業員の意識改革につながる。

③ 各業務のルール・マニュアル化、④ ルール・マニュアルに沿った業務の実行

内容

業務手順を標準化し、全従業員が同じ基準で作業できるように文書化する

文書化した手順書に従い、日々の業務を実行する。

目的・メリット

作業のばらつきを防ぐことで、不適合やミスが減少し、一定の品質を確保できる。誰でも同じように業務が行える

⑤ ルール・マニュアルに沿って業務を行っているかの監査

内容

内部監査を通じて、会社で決定したルールに従って業務を行っているか、その活動が有効かを確認する。

目的・メリット

問題点や改善すべき箇所を発見し、改善につなげる

定期的に仕組みを見直し、課題を発見する体制を整える。

⑥ リスク・機会や目標、監査で指摘があった内容の見直し

内容

監査での指摘に対し、不適合の真の原因を特定し、業務プロセスやリスク対応を見直す

状況に応じてリスク・機会や目標も見直す。

目的・メリット

継続的に改善することで、業務効率や顧客満足を向上させ、組織の持続的発展を図る

不適合の再発・未然防止を図り、品質の向上につなげる

ISO9001の要求事項に基づく品質マネジメントシステム構築は、単なる品質確保にとどまらず、組織の成長や信頼性向上につながります。

上記の手順を参考に、自社の状況に合わせて柔軟に適用することが成功への鍵です。

「ISOのルール」と「組織のルール」とのギャップ診断、診断結果を基にした文書サンプルの提供、専任トレーナーによるマネジメントの解説を通して、組織の仕組みづくりをトータルでサポートするサービスです。

まとめ:品質管理体制を確立し、より安全で安心なサービスを提供する

本記事では、品質管理の必要性やその手法を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

品質管理の目的は「安全で信頼できる製品・サービスを提供し、顧客満足を向上させる」ことにあります。

品質管理は、日々の取り組みの積み重ねが確実に成果となって表れます

例えば、工程チェックを徹底することで不良品が減少したり、社員全員が品質に対する意識を共有したりすることで、組織全体の力が向上し、より良い製品やサービスを提供することができます。

また、ISO規格やQC検定の活用により、さらに体系的かつ効率的な管理が可能です。

 

品質管理は、企業が社会的責任を果たし、持続可能な成長を目指すための重要な取り組みです

本記事をきっかけに、これからの取り組みについて組織全体で考え、品質管理のさらなる強化に取り組んでみてください。

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2023年東京スタンダード設立。エイエスアール株式会社、アームスタンダード株式会社、アフノールジャパン株式会社、QAICジャパン株式会社をグループ会社として持ち、グループ年間審査件数5,300件以上の実績を持つ。長年の経験とノウハウを活かして、ISOをより活かすことができるお役立ち情報を発信。

記事の監修者

東京スタンダード編集部

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